4. レイライン・ハンティングの面白さ
さて、なんとなく形が見えてきたレイラインですが、ここからがレイライン・ハンティングの
真骨頂。実際に「聖地」の現場に行って、どんなレイラインの光景が広がっているのかを、
自分の目で確かめます。
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スマホとGPSを片手に、聖地にある建物の方位や冬至・夏至の日の出・日の入の方角を
照合する。(スマホの無料アプリで測れます。)
ときには岩の磁力を測ってみる。(磁力を測るスマホアプリがあるんです。)
周囲と異なる磁力を持つ場所は、聖地になることが多い。写真の紫雲出山山頂の
ストーンサークル中心石と思われる石よりも高い数値を記録。
古代人は磁力でさえ、現代人よりも敏感に察知していたのか?
(三豊市仁尾町 妙見山山頂)
山に分け入り、山頂付近の岩の上から半島全体を見渡して、聖地のつながりを
確認する。世知までの道は整備・保存された箇所もあるが、時と共に人が遠のき、
荒れ果ててしまった道も多い。
(三豊市仁尾町 妙見宮 冬至の朝日)
冬至、まだ日が昇る前の暗い時間から、巨大な磐座を背負う神社に赴き、
本殿の真ん中に向かって朝日が差してくるのを確認する。
(三豊市仁尾町 妙見宮 photo by 七重)
冬至の日に洞窟をくぐる、古代の再生を祈る儀式「胎内くぐり」は、つまりはケイビング。
巨石が生み出す圧迫感と真の闇の恐怖に耐え、手探りで這い進む先に見える光は
神秘的。まさに胎児が母体から生まれ出る瞬間の疑似体験だ。
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レイライン・ハンティングで古くからの聖地と関わっていると、目の前の風景への見方が
ちょっと変わります。
これまであまり意識してこなかった「時間の流れ」を風景の中に感じるというか、
遠い昔のはずの縄文や弥生が、手元のスマホを通じて「今」とつなっがっているような、
そんな感じ。
アドベンチャーの後の、なんともすがすがしい感覚です。
荘内半島に今も伝わる浦島伝説。
不老不死も浦島太郎の物語も、現代人にはもはやピンとくるものではないけれど、
遠い昔、縄文人や弥生人が立っていた同じ場所で、同じ景色を見ていると、彼らが
太陽と命のよみがえりを信じ、それが不老不死や浦島太郎の物語へと
つながっていったのが、自然な流れとして受け止められます。
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昔むかしの、そのまた昔。私たちの祖先はどんなものを見つめて、
どんな思いをささげていたのか。
山、巨石、海と神社。太陽と暦にスマホとアウトドア。
古事記に神話、それからお遍路と修験の道。
「三豊のレイラインを探すプロジェクト」では、荘内半島以外の場所でも
レイラインが見つかりましたが、Free Cloudでは引き続き、
いろんな掛け合わせで見えてくるニッポンの姿を、探していきたいと思っています。
その第一弾として、まずは2015年の調査で浮かびあがったレイラインをツアーとして
自転車(MTB)でたどります。
ツアーでは、古い町並み残る三豊市仁尾町を自転車でめぐりながら、
レイラインの見つけ方や、神社のつくりの話など、知っているようで案外知らない
ニッポンのことを、軽くレクチャー&おさらいし、巨石ひしめく修験の山「妙見山」を
目指します。
縄文から続く荘内半島の聖地を自転車やトレッキング、ケイビングで体感しながら、
当たり前すぎて見過ごしてきた日本文化を再発見します。
そして今後は三豊だけでなく、四国・瀬戸内のレイラインを探しにいくフィールドワークや、
夏至や冬至の「その日、その場所だけ」の光景を探す旅にも、皆さんをお誘いしたい。
大人がまじめに遊ぶ「インディ・ジョーンズごっこ」。
スマホをたっぷり充電して、各地に眠るレイランを探しにいきましょう。
Free Cloudで行うレイライン・ハンティングは「宗教!」とか「スピリチュアル!」とかに
傾倒している、ということは全くありませんので、安心・ご理解ください。
(敬意を払っていますが、神社仏閣等での参拝の強要は致しません。)
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